Q3 MQAってどんな商品?
2つの使い方があります。
- (1)USB-DACとして
- (2)アナログ出力をバランス接続で聴く
以下、個別に説明します。
USB-DACとして使う
この画像にて、スマホやPCなどに繋いだUSBケーブルを③のUSB-C端子に繋ぎます。つぎに出力端子から音を取り出します。
音の出力は3系統あります。
- ①3.5mm は世間一般に出回っている標準的な大きさの端子
- ②2.5mm はバランス接続の2.5mm用で、他のサイズは刺さりません
- ③4.4mm もバランス接続の4.4mm用で、他のサイズは刺さりません
決して「3.5mmのイヤホンを4.4mmに入れる」とか「2.5mmのイヤホンを他の2つの端子に入れる」ということはしないでください。音が鳴るわけでもないし、最悪壊れてもメーカー保証外です。
また、バランス接続についてすこし書いておくと、3.5mmを変換するモノがAmazonなどで売られていたりしますけど、バランス接続的には意味がないので買わないようにしてください。
ワンちゃん音が出るかも知れないけど…
アナログ出力をバランス接続で聴く
画像は上に貼ったモノを参照してほしいのですが、①3.5mmアンバランスの端子から音を入れてあげると、この商品は自動的に①を入力として扱うようになります。この際に出せる音は、その隣にある2.5mm/4.4mmのバランス出力のみとなります。
本品のUSB-Cから「USBオーディオモードで音を出す」機能はありません(今のところ)ので誤解なきようお願いします。
MQAの再生の仕方
MQAに対応したソフトウェア「AUDIRVĀNA Studio」などをインストールし、MQA音源ファイルの場所を教えてあげれば再生できます。このソフトウェアは以下のサイトから持ってくることができます。
事前にお伝えしておくとこれは有料のソフトウェアですが、試用期間が一ヶ月ほどありますので筆者はお試しのつもりで入れてみました。
このソフトウェアはMQAデコーダを自動認識する機能があり、FiiOのQ3 MQAを選択すると以下のように認識してくれました。
MQAデコード機能のないUSB-DACを繋いで選択したときは、例えばソニーのDAC内蔵ヘッドホン「MDR-1ADAC」ではこのようになりました。
MQAは非対応であるためデフォルトで「MQAではない」が選択されます。この画面でMQAレンダラーやMQAデコーダを選べるかも知れませんが、やっても意味がないことと最悪スピーカー部が壊れても嫌なので試していません。
DSD音源の再生の仕方
これもまた「AUDIRVĀNA Studio」を使うと、DSD音源を再生するときにUSB-DACへの出力形式が選べました。形式には3つあって、
- ①PCMに変換
- ②DSD over PCM1.0
- ③DSD over PCM1.1
とのこと。
①はソフトウェア上でPCM変換してしまうので、この時点でDSD音源のうまみがなくなります。
②・③はDSDフォーマットをUSB-DACへ転送するための「手法」だそうです。名前から一見「これもPCM変換してしまうのでは」と思いましたが、いろいろ調べると以下のようなことだとわかりました。
このDoPを簡単に説明すると、PCMを転送するファイルコンテナを用いて、USBでDSD信号を転送するというものだ。
https://www.phileweb.com/interview/article/201206/26/146.html
この引用元は主にオーディオ関係の情報を取り扱うサイトなので、わりと信用していいと判断して引用しました。なお引用文中の「DoP」とは「DSD Audio over PCM Frames」とのこと。
DSDデータをそのまま転送するのはたいへんなので、PCMを送るときの「データの入れ物」にDSDデータを載せて送る方式だそうです。あとは受け取った側で、データ方式が「DSD」と認識できればDSDとして再生するようです。
ただ、Q3 MQAではこのDoPで送った際に「DSD」の色は点灯しないんです。そのうちFiiOに問い合わせようかと思っています。記事を書きながら、気になっていた「辻井伸行 debut」のDSD版を買ってみました。
するとなんと!Q3 MQAはDSDとして認識してくれました。
このことから、Q3 MQAはDSF5.6MHzまで(DSD128と表記される模様)はDSDダイレクト再生ができるけれど、DSF11.2MHz(DSD256と表記される模様)以上はPCMに変換して再生するようです。
要するにDSD音源の良さを素のまま感じるためには、Q3 MQAではDSF5.6MHzまでと言うことになります。
なお、文章が前後している気もしていますが(ちょっと疲れてきた)、筆者が最初に動作確認に使った音源は小岩井ことりさんの雑誌付録でした。
この音源だとDSF11.2MHz(DSD256)なので、オーディオプレーヤーがPCM変換していた模様。
感想+まとめ
MQA音源のサンプルはネットに落ちている(サンプルとしてe-onkyoなどで提供されています)ので、それを持ってきて聴いてみたり、以前購入した雑誌の付録として入手済みのMQA音源を聴いてみたりしました。
すると圧倒的な心地よさが感じられてウットリ聴き入っている自分がいました。
そして初めて買ったDSD音源「辻井伸行 debut」は、zero audioの5千円くらいで買えるハイレゾ対応イヤホンでも十分に心地よく聴けました。↓このイヤホンです。
そもそもこの記事を見に来るような方は、もっと良いイヤホン・ヘッドホンを使っていそうだけど。
世の中サブスクで音楽を聴く人が増えている(?)中で、Spotifyだと圧縮音源、Apple MusicやAmazon Musicだと最低でもCD音質(16bit 44.1kHz)で音楽が聴け、一部音源は24bit 96kHzやそれ以上で収録された良い音源で聴けるようになりました。
だけれど、本来アーティストが収録しているスタジオの音はもっと良いとのことで、その音に近づく意味でMQAやDSDで一部の音源は収録されるようになったようです。
自分の大好きなアーティストのサブスク音源が「CD音源」で出ていればそれを、「ハイレゾ音源」で出ていればそれを、「MQAやDSD音源」で出ていればそれを聴くのが、アーティストの描いた音楽の世界を堪能できる選択肢なのかなと記事を書いていて思いました。
とはいえSpotifyのサジェスト機能や他社にない収録音源があったりするので、筆者も使っています。主に外で完全ワイヤレスイヤホン経由ですが。外はノイキャンをONにしても雑音が多いので、これはこれでいいかな?なんて思っています。
記事内に筆者の宿題項目は残っていますが、それは後日更新予定とさせてください。
また、記事内の説明で「それ違うぞ?」とかあるようでしたら、以下のTwitterリンクから教えてもらえるとうれしいです。
それではまた